ニコチン
・体内に入ると、末梢血管の収縮を引き起こす。その影響で歯周組織の血流が悪化し、十分な栄養や酸素を供給することが困難になる。
・唾液の分泌量が低下することにより、口腔内で細菌が繁殖しやすくなる。
・依存性がある、一定期間喫煙を続けると、ニコチンを吸収しないといらつきや不安などの感情が出る(ニコチン依存症)。
タール
・発がん物質である。
・独特の臭気がある。
一酸化炭素
・血液中にヘモグロビンと結合することで、末梢組織が慢性的な酸素欠乏に陥る。
喫煙と歯周病の関係
ニコチンによる血管収縮作用と、一酸化炭素による血液の酸素運搬能力の阻害作用により、血流の悪化・唾液分泌の低下が起こるなどの理由によって、細菌が増えて歯周病が悪化します。加えて血流悪化の影響で歯周組織の栄養不足が起き、歯周組織の再生能力も低下するため、歯周病が重傷化します。
その他にも口腔がんや口臭、
メラニン色素沈着等が発症しやすくなります。受動喫煙者にもメラニン色素沈着症などが見られることがあります。
歯周病と全身疾患
心筋梗塞・脳血管疾患
歯周病菌が体内に入ると、それが刺激となって動脈硬化や血栓形成がおこり、血管が詰まる場合があると考えられています。それが冠動脈で起きれば虚血性心疾患となり、脳動脈で起こると脳卒中の原因となります。
肺炎
歯周病菌などの多くの病因菌が誤って気管を通ると炎症を引き起こし、その結果として肺炎になることがあります。
早産・低体重児
歯周病の炎症で出てくるプロスタグランジン(子宮の収縮などにかかわる生理活性物質)などの影響で早産や低体重児の出産につながると考えられています。また、臍帯を通して歯周病菌が胎児に感染すると健全な胎児の発育を阻害することが考えられます。
糖尿病
歯周病が悪化して炎症がひどくなると炎症物質サイトカインがインスリンの血糖値を調整する働きを阻害し、糖尿病を悪化させます。